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大坂昌彦(ds)「オマージュ」(M&Iミュージック)


大坂昌彦のクラブギグがそのままパッケージ

 人気ジャズドラマー大坂の7年ぶりのCD。広島のジャズクラブでの年末ライブ盤である。海野がピアノで参加ということもあって購入。かつて、ジャズクラブ「ボディ&ソウル」「NARU」で二回生演奏を聴いたことがある。彼のドラムは、単調なリズムキープ型とは正反対の、技を繰り出すタイプで、自己主張が強い訳ではないのだが、存在感がある、という叩き方をする。それが新鮮で個性的な感じに映り、引っ張りだこドラマーになった。音楽ジャンルの適応力も抜群で、オーソドックスから前衛風まで違和感なく溶け込む。
今回、じっくり彼の叩き方に耳を傾けたが、エルビン・ジョーンズの叩くポリリズムの影を感じた。ライナーでもエルビンのことに触れているが、意識した意図的取り入れのようだ。
 海野の本質は楽しいスイング系にあると思っているので、ここでの演奏は、いつもよりシリアスな演奏を続けているように感じる。それでも、「セント・トーマス」では持ち前のウイットが表に出て楽しいし、ラストの「自由の讃歌」も彼らしい。
 ライブ感を出すため、わざとリハーサルもしなかったそうで、クラブでジャズを聴いている感じは抜群に出ているが、CDは何度も聴く。このあたり、ちょっと手探りしているなといった一瞬があったりして、それもジャズと思う人もいるかもしれないが、個人的には好きではない。もっと細かく打ち合わせがあったほうが完成度は高まったはずである。(2008.8.13)

☆☆☆★

<曲>
1.「Cherokee」 2.「Afro Blue」 3.「Isfahan」 4.「ESP」 5.「Dear A」 6.「Remember Hymn」 7.「St. Thomas」  8.「Hymn to Freedom」

<パーソネル>
大坂昌彦 (Drums)
安カ川大樹 (Bass)
海野雅威 (Piano)
小池修 (Sax)

<録音>
2007年12月
by konnkore | 2008-08-12 10:09 | 日本のJAZZ